三星舎ブログ

創健生活暮らし、徒然日記 〜果物の一人前〜

 先代の社長であり私の父、調了堂(しらべりょうどう)は、生活研究家なる肩書を名乗りコラムを書くことを楽しみにしていました。医薬品サンクロンは、『創健』(そうけん)〜健康は自ら創るものである〜という金子卯時雨の提唱した健康学の中に誕生した医薬品です。私たちはこれからも、医薬品サンクロンを通して、暮らしの中で様々な創健の気付きを感じ、生きる工夫をしていくと思います。私自身の生活を振り返り問答するような気持ちで、過去のコラムを紹介させていただきます。

 18歳で進学のため福岡の実家を出た日、父が私に漆の半月盆と汁椀を持たせました。「これで毎日ご飯を食べなさい。」一人暮らしのわくわくと不安を抱え、半べそをかきながら新しい街の初めての近くのスーパに自転車を走らせました。食いしん坊の私の自炊生活の始まりでした。

果物の一人前

 昔は銘々のお店に食べ物を乗せて食べていました。ご飯があり、吸い物、魚、煮物、漬物が乗ります。これでお膳の上は大方一杯になります。こここにはお菓子や果物が乗ることはありませんでした。 最近の夕食は、お父さんがご飯の3杯目のおかわりをしようと空の茶碗を出そ うものなら『お父さん多過ぎ』と奥さんだけでなく子供たちも声をそろえて言うでしょう。

 そんな中、夕食が終わりました。奥さんが冷蔵庫の扉を開けて巨峰を取り出し、水洗いをしてテ ーブルに載せました。お父さんと子供たちがテレビを見ながら食べ出しました。奥さんも食べよう と席に着くと一粒も残っていませんでしたので、もう一房を洗いみんなで食べました。頂き物が多 いと一人一房を食べる人は多いものです。先程3杯目は多過ぎると言った奥さんも子供たちも、果物についての一人前の量が分かっていないので、無頓着に一房を食べてもなにも気にしてはいません。

 日本では果物を食べる食文化が育っていないと言うことでしょう。ご飯茶碗の多少の大きさの違 いがあっても大差はなく、一杯は一杯です。ところが果物はまだありませんので、果物の一人前と言う単位を持たないで好き勝手な量を食べているのです。

 私は果物の果糖のカロリー量から、巨峰なら3〜4粒を一人前だと考えています。銘々盆に無理 にでも果物を置こうとすれば、3〜4粒が乗った小皿が精々であることはおわかりで しょう。このことからリンゴ、桃、なしその他諸々の果物の一人前はどれぐらいが適当であるかを、家族の皆さんで考えて下さい。

 世間の言葉使いで別腹という言葉があります。お菓子も、果物も別腹扱いの物で、 「ことさら食べなくてもいい物」である事を知って使っている言葉です。ただ単に、この必要もないものをも食べる事が出来る、という満足感を楽しんでいるようです。 ところが、この楽しみを味わった後に、腰痛、肥満、中性脂肪の高い方が増えています。快適な体をお望みならそろそろ別腹は止めた方が良いでしょう。

生活研究家 調 了堂 のコラム「血の流れ」より 2005.4.

お詫び。少々乱暴な表現もございますが、訂正せずそのまま掲載しております。どうぞご容赦ください。